バネ指(弾発指)の症例
バネ指(弾発指)の症例
治療効果には個人差があります。
症状や病名が同一のものであっても、当院の経験に基づいた症例であり、一般的な鍼灸の効果を意味するものではありません。
あなたの症状に似た症例を、お探しください。
バネ指/弾発指
・指の曲げ伸ばしなどで「ガクッ」というような衝撃が出る
・指を伸ばそうとすると弾けるように伸びる
・指を曲げ伸ばしがスムーズに出来ない
・指の曲げ伸ばしで痛む
症例2 母指のバネ指(曲げ伸ばしが痛く、曲げる時に2回ガクッとなる)
患者
80代 男性
来院
2015年 12月(往診)
症状と来院理由
1年を通して、庭いじりをしている。9月頃から、枝を切るのに枝切りバサミを多用していると、右手親指が痛くなるようになった。痛いなりにもそのまま使っていると、曲げ伸ばしでガクッとなるようになり、痛みも強くなってきた。箸を持つのも辛くなり、動かすこともままならなくなり、どうにかしようと思い、定期的に奥様の往診で来ている当院へ往診依頼した。
治療内容と経過
<1診目>
身体を見ていくと、バネ指との関連が強い脊柱に、硬いコリがあり押してみると痛みを感じた。そのコリへ鍼をし、指を動かしてもらうと、少しづつ動きが出てきた。続いて、脊柱とともに関連の強い肩甲骨を調べていくと、痛みを感じるコリを見つけ、そこへ鍼をすると指が伸ばしやすくなったので終了とした。
<2診目>
痛みは減ってはいるが、ガクッとなるのと痛みはまだ出る。脊柱へ1本鍼を追加すると動かしやすくなり、痛みも軽減された。
<3〜5診目>
同様に施術。
<6〜7診目>
肘の反応点に鍼を追加をすると、滑らかに指が動くようになった。
<8診目>
滑らかに動き、痛みもない状態で安定したので、治療を終了とした。
使用した主なツボ
T1 (1)R、C7(1)R、ふくら1R、ふくら2R、肘反応点R
考察
親指のバネ指は、他の指と違い脊柱・肩甲骨周辺との関連が複雑に絡んでいることが多い。指1つの動きであるが、細かく動きを確認することで、脊柱・肩甲骨の問題をピンポイントで見つけ改善させていくことで、症状を回復することが出来たのである。
症例1 バネ指(曲げると痛みロックもかかる)
患者
30代 男性
来院
2015年 7月(往診)
症状と来院理由
高校卒業後、工場で溶接の仕事をし、常に道具などを握っていたり掴んでいる時間が長い。数年前より、作業が続くと右手の中指が曲がったまま伸ばせなくなった。「ガクッ」という音と痛みを伴うと伸ばす事が出来た。この状態が続いていくうちに、中指を曲げる時にも痛みが出るようになり、整骨院に通うようになった。その場では少し楽になるが、翌日の仕事の際には痛みが戻り、どうにかならないかと思い、知人の紹介で当院に往診依頼をした。
治療内容と経過
<1診目>
バネ指は脊柱と肩甲骨周辺との関連が強い。まずは、脊柱を調べ、反応の強い場所を見つけ、そこに鍼をすると、指の動くが楽になり、「ガクッ」となる音も減ったが痛みはまだある。続いて肩甲骨周辺を見てみると、特有のコリを見つけたので鍼をすると、痛みも音も大幅に軽減したので終了とした。
<2診目〜3診目>
(1週間おき)同様の施術を行い、3診目で痛みが解消されたので治療を終了とした。
使用した主なツボ
T3(1)R、ふくら3R
考察
バネ指は脊柱と肩甲骨の影響が強い。握る・掴む動作の長時間の反復で、肩甲骨〜脊柱へと負荷がかかったことで、バネ指が発症したと考えられる。発症してからの期間が長い症状であったが、継続した治療をすることで、症状が解消されることは多いのである。