肩こり/首・肩・背中の痛み/頸肩腕症候群の症例
肩こり/首・肩・背中の痛み/頸肩腕症候群の症例
治療効果には個人差があります。
症状や病名が同一のものであっても、当院の経験に基づいた症例であり、一般的な鍼灸の効果を意味するものではありません。
あなたの症状に似た症例を、お探しください。
肩こり/首・肩・背中の痛み/頚肩腕症候群
- 肩こり
- 頚のこり感
- 肩甲骨(周辺)のこり感
- 四十肩・五十肩(肩関節炎)
- 弾発指(ばね指)
- ムチウチ・寝違え・頚の痛み
- 肩・肘・腕の痛み
- 肩甲骨(周辺)の痛み
- 背中の痛み
- 喉のつまり(梅核気)
- 嗄声(声枯れ・かすれ声)
- 眼精疲労
- 顎の痛み
- 痛み・痺れ
症例13 くしゃみがキッカケで右を振り向けなくなった頚・背中の痛み
患者
30代 男性
来院
2018年 4月
症状と来院理由
当日の朝、くしゃみをした瞬間に、背中から頚にかけて激痛が走った。仕事を休めないので仕事に行くと痛みが強くなった。大型トラックの運転をしており、バックなどで頚を右を振り向こうとすると痛みが強く振り向く事が出来なかった。翌日も仕事があり、なんとかしないといけないと思い、以前ご家族が通われていた当院へ連絡をし、来院した。
施術内容と経過
<1回目>
まず、動きの確認をすると頚を右に振り向かせる事が、痛みでほとんど出来ない。左には向けるが痛みは感じる。次に身体を見て行くと、頚と背中に顕著な硬さがあり、軽く触れても痛みを感じており、頚には熱感もあった。頚の硬さと熱感に対し手と肩に鍼をすると、頚を右に向けやすくなった。頚の痛みは軽減したが、右を振り向くと背中に痛みが出るので、臀部と背部に鍼をすると痛みが軽減したので終了とした。
<2回目>
(2日後)前回よりかなり楽になっているが、右に振り向くときに痛みを感じる。手に鍼をすると痛みが消失したので施術を終了とした。
使用した主なツボ
後谿R、五稜R、T11(3)R、大臀R、精霊R
考察
仕事が大型トラックの運転手という事で、日常的に手を使う頻度が高い事で、手や臀部に必要以上の過緊張が起こり、くしゃみを引き金に痛みとして一気に表に出たのである。手の余計な緊張は肩甲骨の動きを制限し、肩甲骨が胸椎の動きも制限してしまう。痛みだけを見るのではなく、広い範囲で見る事が出来たので、少ない回数で良い結果を出せたのである。
症例12 手首の底・背屈と肘の曲げ伸ばしで痛む
患者
30代 女性
来院
2017年 8月
症状と来院理由
仕事で毎日6kgの肉を持ち、床に叩きつけるという作業をしている。1ヶ月前から右手首に痛みを感じるようになった。痛みを誤魔化しながら仕事をしていたが、10日程前から左手や両肘にも痛みが出るようになり、仕事への支障がかなり出るようになり、以前別症状で通った当院へ来院した。
施術内容と経過
<1診目>
痛む動きを確認すると、両手首は底屈・背屈共に痛みがあり、特に右手首の底屈で痛みが強い。肘は曲げ伸ばし両方で肘全体に鈍痛がある。
右手首の痛む動きの詳細を確認すると、底屈では母指よりに痛みが強かった。頚部から背部にかけて触診をしていくと、顕著なコリがあったので、鍼をすると底屈時の痛みが改善した。背屈の痛みが残っていたので、肩甲骨周りのコリに鍼をすると背屈の痛みも改善した。
改めて症状の確認をすると、左肘の痛みだけ残っていた。左肘は、肘全体に鈍痛を感じていたので、腰部を確認し、顕著なコリに鍼をすると鈍痛も解消された。
<2診目>
(7日後)左側は手首も肘も気にならない。右手首は二日前から若干の痛みを感じている。頚部〜背部のコリに鍼をすると痛みが解消されたので、施術を終了とした。
使用した主なツボ
C7(2.5)R、C7(0.5)L、T7(1)R、ふくら3R、腰眼L
考察
6kgの物を持ち叩きつける動作は、手〜腕は勿論だが、肩甲骨を含めた動きであり、踏ん張るために腰部〜下肢へも負担がかかりやすい。両方に痛みがあったが、利き手と軸足の関係があると考えられた事で、原因を絞り込む事ができ、早期に回復が見られた症例であった。
症例11 髪を洗う動作や腕を内側に持って行こうとすると肩が痛む
患者
50代 女性
来院
2017年 2月
症状と来院理由
3日前に特に何をしたとかはないのに、急に方に強い痛みを感じた。髪を洗ったりかき分けようとする時や、引き戸の開閉などで痛みが強くなっていた。以前お灸で肩が楽になった経験があり、ネットで鍼灸で探していたところ、当院を見つけた。当院は鍼灸院だが基本的にお灸を使うことがないので、その旨をお伝えし了承を得た上で往診依頼をした。
施術内容と経過
動きを見ていくと、手を頭に持っていく動き・腕を横から90°まで上げてから内側に持っていく動き(引き戸の開閉)・肩を引き上げる・腕をひねる動きなどで痛みが強く可動域制限もあった。
まず、活法「烏口腕筋の導引」「肩の牽引」を行うと、全ての可動域に対して改善が見られた。
次に鎖骨の動きの悪さがあり、特有の硬さがあったので、そこを緩めるために腕に鍼をすると、引き戸の開閉の動きの痛みが改善した。手を頭に持っていく動きや、腕を捻る動きで痛みがあるので背中の硬さを確認すると、顕著な硬さがあったので、鍼をすると全体の動きが良くなり、痛みも8割ほど軽減したので、「治療後、痛みの波があるかもしれないが3〜4日後に痛みが無くなる事も多いですよ」と説明をし、治療を終了とした。
後日連絡をいただき、「翌日〜2日目までは痛みが6〜7割ほど戻っていて、次の予約を取ろうと思っていたが、3〜4日様子を見てと言われていたので様子を見ていたら、4日目の朝になったら、全く痛みが無くなった」とのお言葉をいただいた。
使用した主なツボ
孔最L、T5(1)L
考察
鎖骨と背部の過緊張からくる肩の痛みであった。肩の動作不全や痛みは、全てではないが鎖骨と背部の過緊張からくるものも多い。動きの悪い部分を見つけ、その最大緊張を緩めることで早期の回復が見られたのである。本症例は4日後に痛みが消失しているが、活法・整動鍼共に考え方として「痛い→動けない」のでは無く「動けない→痛い」というのがある。動きを調整して痛みへのアプローチをしていくので、治療後に身体が自動で良い位置に補正していく中で、直後に良い場合もあれば、数日後に急に良くなる場合もある。治療後の説明をしっかりしていたことで、予後を知り得ることができた症例であった。
今後も、問診を含め丁寧な説明を忘れずに行っていきたいと再確認できました。
症例10 左に向けない首の痛み
患者
40代 女性
来院
2017年 1月
症状と来院理由
5日前、朝起きた時に頚が痛かった。左に向こうとすると痛くて途中までしか向けなかった。仕事で車を乗るのに、頚の痛みで運転がしにくく困っていたので、以前から親交のある当院へ往診依頼をした。
治療内容と経過
動きを見ていくと、左に向くと頚の左右ともに痛みが出る。前屈でも痛みがあった。身体を見ていくと、頚の左右に特有のコリがあったので、緩める為に左右の手に1本ずつ鍼をすると左に向きやすくなり、痛みも軽減した。前屈に痛みが出ていたので、見ていくと頚に硬いコリがあったので、背中に鍼をすると前屈も行きやすくなり痛みが消失した。
頚の左側に張り感が残っていたので、手に鍼をすると張り感も無くなり、痛みも消失したので治療を終了とした。
使用した主なツボ
後谿L、六谿R、T4(2)L、合谷L
考察
問診で確認していくと、手を非常に多く使う仕事であるということがわかった。手の使いすぎは、肩甲骨と脊柱を介して頚への影響を及ぼすことが多い。手の過緊張を改善させることで早期の回復が見られた症例であった。
症例9 朝起きたら痛み出した肩の痛みと手の痺れ
患者
20代 女性
来院
2016年 11月(往診)
症状と来院理由
1週間前に朝起きると肩にズキッとした痛みが出た。腕を動かそうとすると肩に痛みが走り動かすのが辛い。じっとしていても肩に痛みを感じる。数日経っても痛みに変化がなく、4日前からは手に痺れも感じるようになったので、以前にもかかっていた当院へ往診依頼をした。
治療内容と経過
話を聞いていくと、1ヶ月前からバスケットボールを定期的にやっていることが分かった。動きを見ていくと、腕を外から上げるのと前から上げる動作で痛みが強くなった。まず肩の動きに関連する頚の緊張があったので鍼をすると、少し動かしやすくなり、手の痺れも減弱した。外から上げる動きの方が痛むので、足に鍼をすると上げやすくなり痛みも減った。腰に鍼をすると前にも上げやすくなり、動きでの痛みは気にならなくなった。じっとしていると頚の横側に違和感があったので手と足に鍼をすると違和感が無くなり、手の痺れも気にならなくなったので治療を終了とした。
その後、痛みは無くなりバスケットボールも問題なく出来ているとの連絡をいただいた。
使用した主なツボ
C5(1)R、申脈R、腰眼R、合谷R、太衝R
考察
久しぶりに再開させたバスケットボールが原因となった症例である。それまではしばらくの間運動をしていなったのもあり、激しい運動を定期的に行ったことで、腰や臀部に負担がかかり、痛みを生んだものと考えた。適度な運動は身体にプラスになるが、急に激しい運動をすることは身体への負担にもなり得るということを改めて実感させる症例であった。
症例8 上からものが落ちてきて動かせなくなった頚の痛み
患者
20代 男性
来院
2016年 9月(往診)
症状と来院理由
仕事(介護職)で当日のお昼にスーパーへ買い出し中、買い物カートが動かなくなり、確認するのにしゃがんだ所、カートの足が折れていた。その瞬間にカートと積んであったペットボトルが、ケースごと自分の頚に落ちてきた。そこから頚が痛くて動かせなくなり、元々あった後頭部の痛みも強くなった。
痛みで全く動けない所、利用者さんの往診で来た当院に相談をし、治療となった。
治療内容と経過
お話をお伺いすると、落ちてきたのは左後方からであった。痛みは全体に感じているが、身体を見ていくと左側に圧痛が出ている。頚の動きをみると、全方向で痛むが特に前屈と右前方への動きが一番痛む。熱感もある。
熱感があるので、手に鍼をすると全体的に少し楽になる。頚の圧痛の強い所があるので、背中に鍼をすると痛みが軽減し動かしやすくなった。元々の後頭部の痛みの方が強く感じ流ので、腰とふくらはぎに鍼をすると痛みが改善し頚を動かせるようになったので治療を終了とした。
使用した主なツボ
後谿L、T6(2)L、T6(3)L、承山L、空髎L
考察
典型的なムチ打ちの症状であった。上から物が落ちてくるという外的要因により、頚に瞬間的に負荷がかかり、痛みが発症したのである。このような頚への負荷がかかる時は、背中でこらえようとすることが多い。受傷から数時間というタイミングと、背中と言う原因を特定出来たことで、1回の治療で改善した症例であった。
症例7 左右とも振り向くことが辛い頚の痛み
患者
60代 女性
来院
2016年 3月(往診)
症状と来院理由
母の介護をしている。以前から頚肩のコリは感じていたが、3日前に介護をしている時に頚が痛くなり、左右共に振り向きにくくなった。日を追うごとに振り向く事が出来なく、痛みも出る。
心配した娘さんがネットで当院を見つけ、往診依頼をした。
治療内容と経過
動きを見ていくと、左右共に頚の回旋(振り向く)の動きで痛みが出て、右回旋をした時の方が可動域も悪く痛みが強い。身体を見ていくと、頚肩全体の硬さも強かった。手から腕全般の緊張を疑い、活法「肩のコリ抜き」「突き引き」を行うと、頚肩全体が緩んだ。回旋の動きを良くする為に、左に活法「カスミ」右に活法「扇」を行うと、回旋の動きが改善した。
右回旋の時に、頚の左右に痛みが出るので、左右の手に1本ずつ鍼をすると、痛みが軽減し頚も動かしやすくなったので、治療を終了とした。
使用した主なツボ
後谿R、六谿L
考察
自宅で日々介護をすることで手から腕への負担が強まり、手と腕の過緊張が生まれ、その影響で頚肩への痛みと可動域制限が出たのである。
頚の動きは手や腕と密接に関係している。原因となる過緊張を緩めることで、動きを回復させ痛みを軽減させる事が出来た症状であった。
症例6 会話や食事の時に口を開く動作をしようとする時に出る顎の痛み
患者
10代 女性
来院
2016年 3月(往診)
症状と来院理由
5日前に朝起きて、朝食を食べようと口を開けようとした時に、右の顎に痛みが走った。そこからは会話する時にも痛みが出るようになり、日に日に痛みが増してきた。口を開けようとすると痛みが強く食事・会話もままならなくなったので、以前から関わりのある当院へ往診依頼をした。
治療内容と経過
口を開こうとすると、人差し指1本分を開くのがやっとで、その際に右の顎に痛みが伴う。
まず、活法「顎関節症の調整」を行うと、口が開きやすくなった。
続いて身体を見ていくと、頚に顕著な硬さがあったので、手と肩に鍼をすると硬さが緩み、口も指3本分まで開くようになった。開くが痛みが残ったので見ていくと、顔に硬さが残っていた。手に鍼をすると痛みも8割下がり、口も開きやすく会話するのも問題が無くなったので、治療を終了とした。
その後、ご連絡があり1週間後には痛みが0になったとの報告をいただいた。
使用した主なツボ
養老R、肩参R、外谷R
考察
剣道をしているという事で、日常的に歯を食いしばる事や、竹刀を持つ動作の反復が、顎周辺や手の過緊張を生み、痛みが出たものと考えられた。顎周辺は、手に限らず様々な場所からの影響がある。本症例は、剣道でかかる負担を早期に見つけられた事で、1回の治療で良い変化が出たのである。
症例5 3ヶ月前から悪化した肩の痛み
患者
60代 男性
来院
2016年 3月(往診)
症状と来院理由
2年前から右肩に痛みがあった。痛みはあるが、日常生活には支障が無かったので放置していた。3ヶ月前に、仕事(機械加工)の作業中に痛みが悪化し、仕事や日常生活に支障が出たので、どうにかしようと思い、ご家族の紹介で往診依頼をした。
治療内容と経過
<1診目>
動きを見ていくと、腕を真横から上げていく動作・そこから腕を内や外に動かす際に、右肩の前面に痛みがあった。身体を見ていくと、肩の動きに関連する臀部の顕著な硬さがあったので、そこを緩める為に足首に鍼をすると、横から上げる動作が改善した。次に肩の動きに関連する脊柱に硬さが見られたので、3ヶ所に1本ずつ鍼をすると、動きの変化が見られたので終了とした。
<2診目>
横からあげる動きは楽になっているが、腕を内や外に動かすと痛みが出る。活法整体「つむじ」「斜角筋の調整」を行うと、肩の動き全般が改善した。次に臀部と脊柱の硬さに対し鍼をすると痛みが改善されたので、終了とした。
<3診目>
痛みは3割程度になっている。2診目と同様に治療を行うと痛みが解消されたので、治療を終了とした。
使用した主なツボ
申脈R、T2(1)R、T3(1)R、T5(1)L、地天R
考察
臀部の緊張と脊柱のアライメント異常からくる痛みであった。仕事で機械を使い加工する作業をする動作で臀部が緊張し、腕を使う作業で肩甲骨から脊柱へ波及し、アライメントに異常が出たと考えられた。原因を早期に見つける事が出来たので、少ない回数での回復が見られた症状であった。
症例4 水泳でクロールをする時に出る肩前面の痛み
患者
70代 女性
来院
2016年 1月(往診)
症状と来院理由
10年以上、近くのスポーツジムに通い、プールで泳いでいた。2015年5月頃から、右肩に違和感を感じるようになった。騙し騙し使っていたところ、違和感が痛みに変わったので整形外科や整骨院に通った。痛みは以前よりは改善したが、クロールで泳ぐ時を含め、腕を頭の後ろに置く動きや、腕を腰に回す動きでの痛みがある。
以前のようにプールで普通に泳ぎたいと思っていたところ、ジム仲間に当院を薦められ往診依頼をした。
治療内容と経過
痛みの出る動きを確認すると、腕を頭の後ろに置く動き(結髪動作)や、腕を腰に置く動き(結帯動作)、腕を伸ばした状態で前から腕を上げる・外から腕を上げる動きで痛みが出た。
身体を見ていくと、腰に硬さがあった。そこへ鍼をすると腕を前から上げる動きが改善した。次に臀部を見ていくと顕著な硬さがあったので、そこを緩める為に足首に鍼をすると、臀部が緩み腕を外から上げる動きが改善した。
結髪・結帯動作の痛みが残っているので、胸椎との関連を考え見ていくと、顕著な硬さがあった。そこへ鍼をすると、肩がスムーズに動くようになったので治療を終了とした。
使用した主なツボ
志室R、申脈R、T2(1)R、T3(1)R
考察
腰・臀部・胸椎と複数の原因が絡み合い発症した症状であった。このような肩の痛みは、患部に対応しがちだが、患部に原因があることは少ない。日常からくる負担が腰・臀部にかかったことで動きに不具合が生じ、胸椎にも波及したと考えられた症例であった。
症例3 身体を捻ると背中が痛む
患者
20代 男性
来院
2015年 10月(往診)
症状と来院理由
5日前、仕事(デスクワーク)をしている時に、横に置いてある物を取ろうと身体を左に捻ったら、左の背中に軽い痛みを感じた。気になるレベルではなかったのだが、翌日になると捻る動きのたびに痛みが出るようになり、日々痛みが強くなってきた。
当日は、仕事が休みで自宅に居たところ、祖母の治療で往診に来ていた当院長に治療を依頼した。
治療内容と経過
身体の動きを確認していくと、立位・座位ともに左に捻る動きでのみ痛みが出る。他の動きでは痛みは出ない。仰向けで動きを確認すると、特有の動きで痛みが強くなった。その動きは仙腸関節と胸椎の連動と関係があるので、胸椎を見ていくと、顕著なコリを見つけた。そのコリを緩める為に足に鍼をすると、顕著なコリが緩んだ。改めて動きを確認していくと、立位・座位・仰向けで捻っても痛みが解消されたので、治療を終了とした。
2週間後、祖母の治療の際にお伺いしたところ、治療後から痛みを感じることは無くなったとのことであった。
使用した主なツボ
光明L
考察
特定の動きのみでの痛みであった。痛みが出る場所を触診しても痛みは出ず、動きでのみ痛みが出る時は脊柱の問題であることが多い。細く動作を確認し、原因を絞ることで早期に症状を解消させるとが出来た症例であった。
症例2 曲げ伸ばしで肘が痛む
患者
40代 女性
来院
2017年 9月
症状と来院理由
ここ数ヶ月前から、肘を曲げても伸ばしても肘の中が痛む。仕事でパソコン作業が多く、その際に特に痛みが強くなる。
以前にも来院経験があり、再来院となった。
治療内容と経過
<1診目>
肘の動作を確認すると、左肘の屈曲・伸展共に痛みが出るが、伸展時の方が痛みが強くなる。肘の中に痛みが出る。痛みの位置がはっきりしないので、肩の緊張を疑うと顕著な硬さがあった。
肩の緊張は腰と連動しているので、腰に鍼を打つと直後に肘の屈曲・伸展共に痛みが軽減した。
続いて肩甲骨外側に鍼をすると、痛みが8割減ったので終了とした。
<2診目>
(20日後)仕事が休めず施術の間隔が空いてしまったが、屈曲の痛みは無く、伸展時のみ痛みがある。パソコン作業が長いということから、臀部を確認してみると硬さがあり、鍼をすると痛みが軽減し、安定を図るために足首に鍼をして臀部を緩めると、痛みが解消された。
<3診目>
(14日後)痛みは殆ど感じないが、屈曲・伸展共に違和感が残る。背中に1本鍼をし、活法「肘の空気抜き」を入れると違和感が消失したので、治療を終了とした。
使用した主なツボ
腰眼L、ふくら2L、地天L、申脈L、T1(1)L
考察
パソコン作業が続くということは、手や腕を使うのだが、長時間のデスクワークでもある。座位でいる時間が長いことで、臀部や腰部に強い緊張が生まれ、肘の痛みを誘発したと考えられる。
肘の痛みは、患部に原因があると思われがちだが、そうではない。原因を見つけ出したことで、早期の改善が見られた症例であった。
症例1 10年間あった首の痛み
患者
40代 女性
来院
2017年 9月
症状と来院理由
10年前から首の痛みがあり、整形外科・整骨院・カイロプラクティック・マッサージ等、様々な治療を受けてきたが、その場では良くなっても直ぐに元に戻ってしまっていた。
今回は、1ヶ月程前より首を左に倒す時と、右を向く時の痛みが強くなった。
なんとかしたいと思っている時に、知人からの紹介で当院に来院した。
治療内容と経過
<1診目>
首の動きの検査をすると、左に倒す・右を向く時に首の右側に痛みが出た。胸椎の動きに問題があると考え、関連する足と手に1本ずつ鍼をしたところ、左に倒す・右を向く時の痛みが大幅に軽減した。さらに動きの確認をすると、左斜め前に倒す時に右側に痛みが出たので、原因となる肩甲間部に鍼をすると、痛みが無くなったので治療を終了した。
<2診目>
(1週間後)3日間程は調子が良かったが、また段々と痛みが出てきた。前回に比べて6割程度の痛みがある。再度動きの検査をすると、左に倒す・右斜め後ろに倒す時に痛みが出る。前回と同様に胸椎の動きを足のツボで整えた。さらに胸鎖乳突筋と鎖骨の動きに問題があると考え、手と足のツボに鍼をすると痛みが無くなった。
<3診目>
(2週間後)調子の良い日が続いていたが、来院2日前ぐらいから痛みが出始めた。動きの検査をすると、左に倒す時に痛みが出るので、胸椎の動きを足のツボで整えると痛みが無くなったが、右を向く時に痛みを感じた。首の詰まり感も感じるとのことだったので、手と足に鍼をすると痛みが無くなった。
<4診目>
(2週間後)痛みはかなり軽減しているが、左斜め前に倒す・右斜め後ろに倒す時に痛みがある。原因となる、肩甲間部と鎖骨の動きを整えると痛みが無くなったので、治療を終了した。
使用した主なツボ
後谿R、懸鐘R、T3(3)R、T6(3)R、合谷R、太衝R
考察
症状が出てから長い期間を経過したものは、原因が1つということは殆どなく、複数の原因が絡み合っていることが多い。痛みの出ている部分ではなく、身体全体に散っていた様々な原因を1つづつ解決していくことで、長年の症状に対しても少ない回数で解消できたのである。