股関節痛/鼠径部の痛み/恥骨痛の症例
股関節痛/鼠径部の痛み/恥骨痛の症例
治療効果には個人差があります。
症状や病名が同一のものであっても、当院の経験に基づいた症例であり、一般的な鍼灸の効果を意味するものではありません。
あなたの症状に似た症例を、お探しください。
症例4 靴下を履く時に辛い股関節周辺の痛み
患者
50代 女性
来院
2017年 5月
症状と来院理由
1週間前に靴下を履こうとした時に股関節周辺に痛みが走った。一時的に痛んだだけだと思い、その後は気にならなかったのだが、靴下を脱ぐ時にまた股関節周辺に痛みが出た。翌日以降も靴下の脱ぎ着の時に痛みが出ていて、一昨日からは立っていて体重がかかると股関節周辺から、骨盤の中心寄りにまで痛むようになった。酷くなる前に早く治療しようと思い、以前かかったことのある当院へ、往診依頼をした。
治療内容と経過
〈1診目〉
動きを見ていくと、立っていても座っていても靴下を脱ぎ着する動作で制限があり、痛みも出た。まず股関節全体を緩める活法を行うと、股関節に動きが出るようになり、痛みも軽減した。身体を見ていくと、膝を体に引き寄せる動きに関連するコリがあったので、足に鍼をすると靴下を履く動きで痛みが出なくなった。立位で体重がかかる時に骨盤らへんに痛みが残ったので、肩に鍼をすると痛みが解消されたので治療を終了とした。
〈2診目〉
(約1ヶ月後)前日に少し違和感を感じた。股関節全体を緩める活法と、足に鍼をすると違和感が解消された。
肩こりがあったので、活法「坐骨切り」を行うとコリが改善されたので終了とした。
使用した主なツボ
中腰R、肩参R
考察
腸骨筋という筋肉の動作不全が引き起こした痛みであった。腸骨筋は、骨盤(腸骨の前側)から股関節の小転子(足の骨の股関節寄り)についており、腿を引き上げる時に一番作用する筋肉なのである。その腸骨筋の動作不全を起こした原因を見つけ、緩めたことで痛みが解消された症例であった。
症例3 階段の上り下りが出来なくなった股関節の痛み
患者
50代 女性
来院
2016年 12月(往診)
症状と来院理由
2日前に自宅の階段を上っている時に、股関節周辺に急に痛みが出た。用事を済ませ階段を下りようとしたが、痛みで普通に下りることが出来なかった。翌日になると足を引きずって歩くのがやっとになり、生活がままならなくなった。
車の運転も出来ないので、以前から付き合いのあった当院への往診依頼をした。
治療内容と経過
〈1診目〉
往診に行くと、玄関から施術場所となったリビングまでの移動も痛みでままならなかった。身体を見ていくと、右股関節の動きがなく、動かそうとすると痛みでまともに動かせなかった。
まず、活法「股関節抜き」を行うと股関節の動きが出るようになり、少し歩きやすくなった。次に階段の上り下りで特に上りが痛むので、動きを確認し足に鍼をすると股関節が曲げやすくなり、実際に上ってもらうと上りやすくなった。今度は下る方が痛むので腰に鍼をすると下りやすくなった。仕上げに肩に鍼をして終了とした。
〈2診目〉
(4日後)普通に歩くのには痛みがない。階段の上り下りは出来るようになったが、痛みはまだ残る。前回と同様の施術に加え、膝に鍼をして終了とした。
〈3診目〉
(7日後)階段の上る時にだけ痛みが少し残っていたので、足に鍼をすると痛みが消失した。左の膝に違和感を感じるとのことだったので、臀部に鍼をすると違和感も消失したので治療を終了とした。
使用した主なツボ
中腰R、志室R、肩稜R、膝陽関R、大腰R、膝根L
考察
問診時に、仕事が立ちっぱなしであることと、車の運転をすることが多いということがわかった。立位や運転の際に、股関節周辺の筋肉が拘縮をし動きが悪くなることで、痛みが発症した症例であった。
問診で原因となる部分を聞き出せたことで、少ない回数での回復に至ったと考えられる症例であった。
症例2 ラクビーで痛めた鼠径部と恥骨の痛み
患者
10代 男性
来院
2016年 11月(往診)
症状と来院理由
1週間前に、部活(ラクビー部)の練習中に左右鼠径部〜恥骨にかけて痛みを感じるようになった。痛みはそのうち治るかと思っていたが、日に日に痛みが増し、朝の起き上がりの時にも痛みが出るようになった。母親が当院を利用したことがあり、往診依頼をした。
治療内容と経過
身体を見ていくと、左右の鼠径部から恥骨の横まで痛みがある。動きを見ると、歩行・寝起き(起き上がる初動)・横歩き・仰向けでの足上げなどで患部に痛みが出た。
まず、活法(恥骨筋の導引・股関節抜き・またぐらの調整等)を行うと、痛みが半分くらいに減った。改めて動きを見ると、仰向けでの足上げでは左側に、仰向けから起き上がる時は右側に痛みがあった。右の痛みに対し足に鍼をすると、痛みが恥骨の横側に移動した。膝に鍼をすると恥骨の横側の痛みが消失した。左の痛みに対し足に鍼をすると痛みが消失したので、治療を終了とした。
使用した主なツボ
太衝R、曲泉R、大腰L
考察
鼠径部及び恥骨周辺の痛みは、下肢原因で痛みが発症する事が多い。本症例の場合、部活(ラクビー)で下肢を酷使した事で痛みが発症したものである。
活法と整動鍼は、なかなか対応の難しいこのような症状に対しても、非常に有効なのである。
症例1 3年間続いた股関節の痛み
患者
60代 女性
来院
2016年 5月(往診)
症状と来院理由
3年前に歩いている時に急に左股関節に痛みが出始めた。整形外科・整骨院・整体・鍼灸と通ったが、ある程度は変化があったが、これ以上は変わらないと諦めていた。
犬の散歩で、犬に引っ張られたりする時が特に痛む。あぐらをかくと左側が途中までしか開かなくて辛い。
ご家族がぎっくり腰になり、当時往診専門であった当院をネットで見つけ、施術前後の変化を見て、自分も治療を受けてみたいと思い、その場で依頼した。
治療内容と経過
<1診目>
動きを確認すると、あぐらをかく動きと、仰向けで足を45°に上げてから内側に向けた動きで痛みと可動域制限がある。
股関節全体の緊張を取るために、活法整体を1手おこなうと、股関節全体の緊張が抜け、痛み・可動域共に大きな変化があった。
続いて細かく確認していくと、股関節外側に緊張があった。その緊張を取るために膝に鍼をすると、直ちに緩み股関節の痛みが解消し、可動域の制限も無くなったの終了とした。
<2診目>
(6週間後)痛みはあるが動きは良い。前回と同様の施術をし治療を終了とした。
使用した主なツボ
膝陽関L
考察
本症例は、3年前の歩行時に何かしらの衝撃があったと思われる。その際に衝撃の反動で股関節が詰まり、その状態でいることにより、股関節に過緊張を生んだことが原因になったと考えられる。
股関節外側に一番強い過緊張があった為、あぐらなどの姿勢が取れなかったのである。
股関節に過緊張を引き起こす原因は、股関節自体には殆どない。過緊張の元を緩めることで早期に症状が解消されたのである。